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腸アニメGI値・インスリンと糖質 - 筋トレ・運動時に必要な糖質の種類と摂取方法

GI値=グリセミックインデックスとは?!筋トレとインスリンとの関係、ブドウ糖と果糖の効果の違い、GI値を利用した場面別糖質摂取方法、食品の種類とGI値についてなど!!

1:GI値とは

テレビCM等で「低GI」という言葉を聞かれるようになりましたが、では「GI」とはなでしょうか。今回はこのGI値についてのお話です。

一般にはGI値と言い、グリセミック・インデックス(グリセミック指数)の略です。GI値とは簡単に言うと、口から入った糖質が消化されブドウ糖(グルコース)に分解されて吸収された後の血液中の

血糖値が上がる早さ

です。ブドウ糖が100で最も早く、これを基準にGI値を求めます。

GI値 食品

パン類、もち、じゃがいも、にんじん、ブドウ糖、砂糖、はちみつ、等

ご飯、パスタ、ライ麦パン、フライドポテト、さつまいも、かぼちゃ、すいか、ぶどう、オレンジ、バナナ、等

玄米、牛乳、豆類、リンゴ、グレープフルーツ、乳糖、果糖、他

※2004年 大塚製薬

ではGI値が運動やダイエットなどでどういう意味があるかというと、それはインスリン(→インスリンとは)です。血液中のブドウ糖の量が急激に上がるほどインスリンも多く分泌されますがこれによって二つの結果をもたらします。

  1. 脂肪の合成量が増える
  2. 血糖値が急激に下がる

1はつまりいわゆる「低インスリンダイエット」の原理です。インスリンは、基本的に血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓内にとりこんで貯蔵エネルギー(筋グリコーゲン、肝グリコーゲン)を作る働きがありますが全てのブドウ糖がそうなるわけではなく、

インスリンはブドウ糖から脂肪の合成も促進

します。

しかし糖質は体を動かすエネルギーとして欠かすことができない栄養素です。つまりGI値の低い食品から糖質をとればインスリンを低く抑えることができ、体脂肪が増えるのを押さえるという考え方です。

2:筋トレとインスリン

では2の問題はどうか。筋トレなど運動中は、血糖値を維持しなければなりません。なぜなら筋肉中に貯蔵される筋グリコーゲンの量には限界があるため、足りなくなると肝臓や筋肉のタンパク質を分解して血液中にブドウ糖を放出しエネルギーを作ります。さらに糖分を含んだドリンクなどで血糖値を上げます。

ところが

インスリンが多く分泌されてしまうと、せっかく上がった血液中のブドウ糖がインスリンによっていったん貯蔵にまわされてしまいすぐにエネルギーとして利用することができず

ヘタをすると運動パフォーマンスが落ちてしまいます。逆に血糖値を一定に保たれていれば、筋グリコーゲンや肝グリコーゲンを節約できスタミナをアップする事ができるのです。またブドウ糖だけではなくBCAA(→BCAAとは)というアミノ酸も、エネルギーになり筋タンパクの分解を抑制する働きがあります。

3:運動中の強い味方果糖

GI値 食品

パン類、もち、じゃがいも、にんじん、ブドウ糖、砂糖、ハチミツ、等

ご飯、パスタ、ライ麦パン、フライドポテト、さつまいも、かぼちゃ、すいか、ぶどう、オレンジ、バナナ、等

玄米、牛乳、豆類、リンゴ、グレープフルーツ、乳糖、果糖、他

「果糖(フラクトース、フルクトース)」はご存知ですか?果糖は果物に多くふくまれる糖分ですが、右の表にあるようにまさに「低GI」です。果糖は吸収してからいったん肝臓に運ばれそこからブドウ糖に変換して血液中に放出するため、

直接ブドウ糖を吸収した場合よりも血糖値が上がりにくく

インスリンの上昇もおさえることができるのてす。インスリンが出ないという事は、脂肪の合成もおさえられ脂肪を効率的にエネルギーとして使われる事にもなります。

さらにブドウ糖よりも吸収しやすい性質があるためスポーツドリンクなどに多く使われるようになっています。逆にこのGI値の違いを利用して運動前中後に何をエネルギーとして補給すればよいかを考えることができます。

スポーツドリンク成分比較表

4:GI値を利用した場面別糖質使い分け方法

運動前のエネルギー補給には

H+Bライフサイエンス 粉飴マルトデキストリン 1kg消化が速くてGI値の中くらいか低いものが適しています。ただしタイミングをまちがえると、やはりインスリン反応が起こり血糖値が下がる場合もあるのでだいたい15~10分ほど前に消化吸収の速いマルトデキストリン入りエネルギーゼリーなどがよいでしょう。

★マルトデキストリン----ブドウ糖が複数つながってできた糖分(多糖類)だが吸収がおだやかな特徴がある。このようにGI値が高くても吸収の仕方によっては効果が高いものもある。

※砂糖はブドウ糖と果糖が1:1で結びついた糖分(二糖類)で多糖類のデキストリンよりは吸収が速くGI値は高い。

▼マルトデキストリン使用で砂糖なしのエネルギーゼリー▼

運動中のエネルギー補給には

果糖などGI値の低くかつ吸収の速い単糖類がよいです。特に長時間の持久系の運動や、トレーニング中の補給などに適しています。ただし運動中の心拍数が高い状態ではアドレナリンが分泌されインスリンの働きが抑えられるので、とりすぎなければブドウ糖が入っていてもかまいません。

疲労が激しいなった場面など集中力を落とさないために脳への栄養補給も重要になるのでGI値が高いブドウ糖もむしろ必要

です。マルトデキストリンなどもよいです。

運動直後のエネルギー補給には

運動直後は消耗したグリコーゲンの回復(→超回復とは)や筋タンパクの修復をすみやかに行うためにインスリンを多く分泌させる必要があります。つまりGI値が高めのものがよいです。

インスリンは脂肪の合成もうながしますが、

運動して疲労した後はグリコーゲンや筋タンパクの合成を優先するように働く

のです!特に24時間ほどはそのような状態が続くと考えられています。

5:食品の種類とGI値

GI値 食品

パン類、もち、じゃがいも、にんじん、ブドウ糖、砂糖、ハチミツ、等

ご飯、パスタ、ライ麦パン、フライドポテト、さつまいも、かぼちゃ、すいか、ぶどう、オレンジ、バナナ、等

玄米、牛乳、豆類、リンゴ、グレープフルーツ、乳糖、果糖、他

また右のGI値の表(参考)の中で、果糖が多いハチミツが高くなっています。これはハチミツにはブドウ糖もふくまれているためです。このように食品の成分にも注意する必要があります。

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結び

大沼きん糖質は運動のエネルギーの要は糖質です。脂質をエネルギーを作り出すのにも糖質が必要です。どんな場面でどのような糖質をとればいいか、色々考えて試してみてはどうでしょうか。タンパク質ばかりとってもダメなんです。糖質こそむしろ大事なんです。でも糖質をあまりいっぱいとっても筋肉じゃなく体脂肪が増えちゃうんじゃないの?ちょうどよかった。次はその疑問にお答えすることになってますから。

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タグ : 理論食事 タンパク質 糖質・炭水化物