1:クイックネス・スピードとは何か?
これは多方向クイックトレーニングのページで解説した後方へのクロスステップターンです。実際にやってみると、振り向いてからのダッシュがどうしてもワンテンポタイミングが遅れてしまう、ということはなかったでしょうか?これは
振り向いた時の後方のクロスステップの軸脚(上アニメの場合は右脚)が、
支持脚として不安定
でグラつき体幹がぶれる事によって起こるロス
が原因です。つまり
片脚でブレずにしっかり止まれるか
がスピードのある動きの要なのです!ほんの一瞬でもブレがあるかないかでスピードに差が出ます。
ではその"ブレのない"動きを作るためのトレーニングをやってみよう!
2:バランスジャンプ - スピードの基礎を固める
その場ジャンプ
まずはその場で片脚ジャンプをやってみよう。伸張性反射と筋収縮速度の向上を目的としたプライオメトリクストレーニングのシングルレッグジャンプ、ではありません。プライオメトリクスジャンプでは接地時間を短く連続ジャンプをしましたが、この片脚バランスジャンプは前項で解説したとおり止まるのが目的です。着地でピタッと静止できるでしょうか?ポイントは
- 離地と当時につま先を上げてフラットに着地(トゥーアップ:→着地方法の基本)したか
- 元の位置に正確に着地できたか
- 跳ぶ前と着地した時の膝角度・股関節角度などフォームが同じになってるか
- 着地した瞬間グラグラしないでピタッと静止できたか
まずは浅い膝角度からほんのちょっとのジャンプから始めよう。ほんの数センチのジャンプでも「元の位置に」「元のフォームで」「ピタッと」バランスを崩さずに着地するのはいかに難しいか、というのが実感できたのではないでしょうか?逆に言うと、
ほんの数センチの移動でさえバランスを崩しているのに激しいスピードで移動する時はなおさら・・・・
ということです。え?簡単だった?では膝の曲げ角度もっと深く下ろした状態からやってみよう。
次はレベルアップのバランスジャンプをやってみよう。
移動バランスジャンプ
ラダーを使って前方に体重移動をしながらバランスジャンプ! その場ジャンプ同様「元の位置に」「元のフォームで」「ピタッと」バランスを崩さずに着地するべし!!さらに強度を上げて
- マイクロハードル(ミニハードル)でやってみよう!(→マイクロハードル体幹スピードトレーニングメニュー)
- 横方向もやってみよう!
- 後方もやってみよう!
- バランスディスクからバランスディスクへ跳び移ってみよう!(→バランスディクス)
どんどんレベルアップにチャレンジしよう!
★おすすめラダー
国内では神経系トレーニング開発の先駆者である日本SAQ協会のオリジナルラダー。ラダー部分はもちろん山形で、二本セットです。
→ラダーの選び方
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しかしどうしてもうまく着地できない、グラつく、には何か問題点や原因があるはずです。次はその解決方法のトレーニングについて解説だ!
3:スピードを強化する股関節トレーニング
安定した着地がうまくいかない原因は主に
股関節周辺の柔軟性や筋力
の問題の可能性が高いのです。膝や足首の場合もありますが、その場合も股関節の不安定さによって膝→足首へと負荷がかかっていくのです。
股関節のトレーニングと言えば筋トレの王者スクワットにつきます。股関節はもちろん膝周辺の不安定さを引き起こす大腿四頭筋のトレーニングにもなります。まずは基本の正確なスクワットで
- 股関節と体幹を使った正しいスクワットフォームの確認
- 筋力の強化
- 片脚でのシングルレッグスクワット
というふうにトレーニングレベルを移行していきます。定期的に前項の片脚ジャンプトレーニングで着地安定感のテストを入れよう。スクワットはできればバーベルスクワットをパラレル(膝角度がももが床と平行か90度くらい)のレベルで行います。バランスディスクでの片脚スクワット(→片脚での体幹トレーニング)もおもしろい。
▼こちらも!
4:肩甲骨周辺のトレーニング
股関節だけではなく肩甲骨周辺に不安定さがあると体幹全体のバランスの低さにつながっていきます。肩甲骨周辺の柔軟性や筋力の強化も必要です。パワーポジションが正確にできているかも確認しよう。
▼こちらも!
5:膝周辺のトレーニング
体幹も股関節も問題ない、明らかに大腿四頭筋が弱い、と言う場合ももちろんあります。そんな時は大腿四頭筋の筋力強化を重点的にやろう。
▼こちらも!
遠回りな感じがしますが、シーズンオフ期にこのような地道なトレーニングを積んでいけば、スピード・パワー向上につながると思います。
では原因が解決できた所でさらにレベルアップのクイック・スピードトレーニングをやってみよう。
6:レベルアップトレーニング
体幹トレーニングのページで紹介している前後ステップジャンプと左右ステップジャンプをここでクイックネス・スピードトレーニングとしてあらためてやってみよう。ピタッと着地で静止してください。前にも言いましたがほんの30センチの移動でさえバランスを崩しているのに激しいスピードで移動する時はなおさら・・・・というのが実感できると思います。え?大した事ない?では1メートルでも2メートルでも距離を伸ばしてジャンプしてもちろんピタッと静止してください。距離が長くなるほど慣性力がかかり体幹の強さも要求されてきます(→慣性力と体幹)。さらに
- 斜め方向もやってみよう!
- ラダーやマイクロハードル、コーンなどをランダムに配置してステップジャンプ(ジクジザグステップ→)!
- 「前!」「後!」「右!」「前斜め左前!」など手の合図に反応してのステップジャンプ!
→こんなふうに静止せずにポンポン跳ぶだけでは意味がない。プライオメトリクストレーニングにもこれではならないので「ピタッと静止」してスピードの基礎をトレーニングしよう!
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結び
スピードやクイックネス、アジリティー、素速く動くための基礎の基礎が「止まる」ことだったったは! ここが理解・体得できればいわゆる運動能力・フィジカルが格段と変わってくると思います。ウエイトトレーニング、体幹トレーニングとも関連しながらワイルドに進化していこう!
では基礎の基礎を理解したところでさらに複雑なアジリティードリルをやってみよう!たんなるアジリティーではなくクイックネス、スピード、プライオメトリクス的要素も入った総合トレーニングだ!!