1:アジリティー・敏捷性とは何か?
スピード走行中相手の動きに反応して、急激に止まろうとするとつい「ザザーっ」とすべるように止まろうとしてしまいます。
しかし!これではサッカーでも野球でもアメフトでもすばやい方向転換ができずアジリティー=敏捷性が発揮できません。ではどうするのか、それは
減速、そして停止
です!そしてそれはイコール
加速の技術
でもあるのです!
みなさんの自転車には変速ギアはついていますか?バイクや車のミッション車でもよいですが自転車の方がわかりやすいと思います。スタートして加速するときは低速ギアを使いますよね。加速していくにつれギアを高速ギアにチェンジしていきます。
逆に減速する時もシフトダウンしてブレーキをかければスムーズに停止することができます。
そう、これと同じ事をアジリティー = 敏捷性トレーニングでもやるのです!
ではまずその変速ギアの感覚を理解するために簡単な方 = シフトアップによる加速アジリティーからはじめてみよう。
2:加速の敏捷性技術
シフトアップによる加速の基本は低速ギアからスタートですね。低速ギアは軽いので、小さな力で速く高回転で動かす事ができます。逆に
高速ギアは重くて大きな力が必要なので高回転で動かす事はできない
のでスタート加速時には使えません。人間も同じです。
静止ポジョン→素早いスタートからの加速力を上げるには全身を低速ギア=高速回転
で動かします。ではどうしたら高速回転で動かせるか?!もちろんそれはクイックランをの基本を思い出そう。アジリティー・敏捷性の動きの回転を速くするには「もも(膝)を高く上げない」です!
ではラダーを等間隔に置いて実際に回転を速くして走ってみよう。膝を高く上げず小股でタタタッと走ります。
- ★どれくらいももを上げるか。速く回転させようとして低すぎるとラダーに足がぶつかってしまうぞ!
- ★フラット接地&トゥーアップ!(→着地方法)
ももの高さと重心コントロール、そしてリズミカルに駆け抜ける事ができたら、次は実際に加速してみよう。通常のラダーではなくスティックラダーを7本ほど用意し1マスごとに間隔を足半足から一足分ほどずつ長くして設置します。
スピードが上がっていくにつれてギアを高速に上げる、つまり膝を高く上げるようにしてストライド(歩幅)を広げていきます。
加速の感覚がつかめただろうか?フラット接地で地面をしっかり踏み込んで地面からの反発力をつかもう。スキップを狭い歩幅で高速ステップするトレーニングなどもいいです。細かく速いフットワークを身につけよう!
▼こちらも!
ではいよいよアジリティー=敏捷性の要、減速と停止の技術に挑戦だ!
3:減速・停止の敏捷性技術
まず「止まる」とはどういうことか考えてみましょう。先に解説したようにザザーっとすべって止まるのはロスです。もちろんサッカーやバスケットボールなどで1対1で相手と向かい合った時、相手のフェイントに逆をつかれザザーっとならざるをえない場面もあります。
しかし減速の技術を身につけてアジリティー=敏捷性のレベルを上げておけば、立て直しも速くボディーコントロールが俄然変わってくるはずです。ではまず基本中の基本からやってみよう。
加速していくほど歩幅が広がっていきましたね。ならば
減速は、加速とは逆に歩幅をせまくしていく
のです。もちろんこれだけでは前につんのめってしまいますから、さらに上体を後ろに倒す意識でブレーキをかけます。階段や坂道を下りるときの体の使い方をイメージしてください。下り坂では特に足を細かく歩幅を狭くしてブレーキをかけながら進みますね。この
ブレーキが減速の技術
です。減速していくほどに重心を低くしパワーポジションでピタッと停止してみよう。重心が高いと慣性力に負けて上手く止まれず前につんのめってしまいます(→重心の高さと慣性力)。
- ★まずは軽いジョグ程度のスピードからブレーキをかけて減速→停止
- ★スピードを上げて減速→停止
では減速→停止・そして加速のレベルアップトレーニングしてみよう!
4:レベルアップアジリティートレーニング
10メートルスプリント停止
10メートル間隔でスタート→加速→減速→停止までやってみよう。コーンを使って停止目標の手前に減速スタートの目標(↑赤コーン)も設置します。ポイントはできるだけ減速距離(↑赤)を短くし、加速走行時間(↑青)をできるだけ長くとりぎりぎり赤コーン通過してから減速を開始!最初は長めの赤からはじめて見よう。さらに赤コーンではなく合図で減速開始トレーニングもしてみよう。
※大事なのはどんな状況でもパワーポジション、股関節がしっかり屈曲し体幹が安定した状態でバランス良く停止できるかどうかです。
ダルマさんが転んだ
ジュニアや初級者のアジリティー=敏捷性トレーニングとして、「ダルマさんが転んだ(坊さんがへをこいだ)」をやってみよう。軽くジョグさせてダルマさんが転んだでパワーポジションで停止!片脚で停止もやってみよう。→片脚でのパワーポジションもしっかり股関節と重心バランスを意識しよう。
【PR】★各種コーン★
ヤマダモール | Amazon | Yahoo!ショッピング | 楽天市場
結び
減速・停止・加速の感覚がつかめただろうか?アジリティー=敏捷性のレベルを高めるにはまさにこの「停止」が確実にできるかどうかにかかっています。スムーズかつすばやい減速ほどバランス良く正確な停止が可能になり、正確な停止がすばやい方向転換とスムーズで力強い加速を可能にします。停止でバランスを崩したらすばやい方向転換もスムーズな加速など絶対にできません。
ではいよいよその方向転換、アジリティー=敏捷性の応用トレーニングをやってみよう。ますます実践的トレーニングになっていくぞ!