1:前方を見る!?腕立て伏せの常識を疑え!
え?前?・・・そう、前です。腕立て伏せと言えばたいがいは下をむいて、それこそ床を凝視してやっていたでしょう。下を見ていると、頭が下に下がって
背中が丸まりやすくなり大胸筋に効きません。
そう、
なのです!
→大胸筋とは
無理に首を起こして完全に前方を見るのではなく、軽くアゴを上げて斜め前方を見る程度でよいです。
2:肩と手の使い方
肩の角度と手の位置
右の絵を見てください。手を置く位置は、下ろした時に肩の水平ラインと腕の角度がだいたい30°~60°くらいになるように調節しよう。
腕が水平になった状態で腕立て伏せをやると大胸筋にあまり効かないばかりか肩を痛める
可能性があります。逆に脇をしめてやる方法も、軌道が窮屈になって大胸筋があまり使えなくなり肩や肘に負荷がかかりすぎ痛める可能性があります。
ではなぜ肩を水平にして腕立て伏せをすると肩を痛めやすいのか?
肩関節の後方稼動域と安全性
立った状態で、水平の状態の時と、角度をつけた時と、どちらがより肘を後方に深く引けるか試してみよう。水平の時の方が、何か肩にひっかかるような感じがしてあまり後方には引けないはずだ。安全を考えるならやはり角度をつけて肩の稼働域を大きくするのがベストだ。
手の向きと稼動域
よくやってしまいがちなのが上右のように手を内側に向ける"いわゆる腕立て伏せ"的なやり。しかし
内側に向けすぎると肘が外に張り出してしまい肩も水平になりやすい。
左の青丸ように平行にするかむしろ外向けぎみでもかまいません。そもそもの手を内向きでは、さきほど解説したの手の位置・幅のポジションを維持する事自体が困難だと思います。
※ダンベルベンチプレスが手を内向きでうまくできるか試してみよう!
肩甲骨と胸の張り・体幹
肩甲骨を内転させて胸を張った状態を維持しましょう。腹筋も意識して
しましょう。
→体幹トレーニング基本エクササイズ
では腕立て伏せのフォームを作ってみよう。
3:"立ち腕立て伏せで"フォーム作り
まずは立った状態で腕立て伏せをやってみよう。
5の状態、つまり伏せの状態で肩甲骨を内転させて大きく息を吸って胸を張り、
胸を張り大胸筋をストレッチ
させます。そして
息を吐きながら腕を伸ばしていきますが、
腕の動かしている間も肩甲骨の内転を維持
するのがポイント!
そしてまた息を吸いながら腕を引いてみよう。肩の角度がちゃんと正しいポジションにもどりましたか?
ではいよいよ横になって実際に腕立て伏せをやってみよう!
4:フォームチェックのやり方
正面から
右の絵のように腕が地面と平行になる時に肘と手が地面と直角になるように(これより少し広めでもよい)手の位置を調節します。鏡をみながらやるとよいでしょう。どんな筋トレでも鏡は必須アイテムです!
横から
挙げ下げの動作中胸を張った状態を維持し、腹筋も意識して足から首まで体幹を1本の棒のようにピーンと固定!
します。つまり腕立て伏せには体幹トレーニングとしての効果もあります。
→体幹トレーニング講座
5:呼吸方法
2の基本フォームで解説した「伏せの状態」の時に左右肩甲骨を寄せながら(→肩甲骨の内転)大きく息を吸い込み胸を張ります。これによって大胸筋がよりしっかりストレッチされます。
大胸筋の収縮を意識して息を吐きながら上がり、上がりきったところでいっきに吐きだします。そして息を吸いながら下ろします。
- ★伏せの所で大きく吸い胸を張る!
- ★息を吐きながら上げ吸いながら下ろす!

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では腕立て伏せをやる回数や負荷について。
6:回数・セット数と負荷強度の調整方法
効果的な回数・セット数
- ★15回が限界!と言う負荷で1セット限界回数 × 2から3セット
- ★セット間のインターバルは1分から90秒
- ★2、3日に1回
※初級者レベルのセットです。
15回だけでいい、ということではありません。
15回が限界、15回しかできないやっとの回数
という意味です。いや15回なんて楽勝だよ!逆に15回どころか2、3回しかできない・・・と言う方もいるでしょう。なので次は腕立て伏せの負荷の調整方法を解説!
※腕立て伏せとか腹筋とか屈伸みたいな筋トレは毎日100回でも何十回でもやった方がいいんだよ!という人はこちら
→筋トレの回数の決め方
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負荷強度を上げる方法
稼働域を広げる
腕立て伏せに限らず筋肉への負荷を強くする方法の一つとして
稼働域を広げる
という方法があります。稼働域とは文字どおり筋肉が稼働する範囲の事で、腕立て伏せなら上のように手を本やプッシュアップバーのような器具で高くする事で、体をより深く下ろすことになり腕立て伏せの負荷を高くすることができます。
右のように稼働域を狭くすると楽になり筋肉に十分負荷をかけることができません。
また、手の向きでも解説したように、手を内向きにして肘を外側に張り出すようなフォームだと深く下ろすことがでず胸もしっかり張れません。その結果肘の稼働域が大きくなる一方
肩の稼働域が小さくなって大胸筋への負荷が弱く
なってしまいます。
荷物を背負う
背中に荷物を背負って行なえば負荷を上げることができます。誰かに押さえてもらってもよいです。
足の位置を高くする
足を置く位置を高くる事で負荷強度を高くすることができます。
→パートナー筋トレ講座
ゆっくりやる
動作スピードを遅くすることで負荷を高めることができます。下しに5秒、上げに5秒ほどかけてやってみよう。特に下しをゆつくりやることで伸張性収縮を効かす事でより筋肉を発達させることができます。
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逆に負荷を軽くする方法
10回どころか2、3回しか腕立て伏せできない!という場合は手の位置を高くすると、負荷が軽くなって回数ができるようになります。
→女子でも楽勝?!負荷の軽い腕立て伏せ乃やり方をもっとくわしく!
★腕立て伏せをグレードアップするおすすめ筋トレ器具
プッシュアップバー
腕立て伏せをより効果的にできる必須器具。肩の稼動域が広がり大胸筋への負荷がアップ!このタイプは握りこまなくても安定感がありおすすめ。
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結び
とにかくひたすら床を凝視しながら腕立て伏せをしていた人にとっては目からウロコ?だったのではないでしょうか。肩の角度とか手の位置など考えもいたことがなかった人もいるでしょう。今まで「30回ぐらい楽勝!!」などと吠えてた君も「できないわこれ」なんてことになってませんか?
しかしこれこそが正しい腕立て伏せであり、体幹の強化筋トレとしても使えます!!もちろん腕をきたえるための腕立て伏せの方法もありますよ(→腕の腕立て伏せについてくわしく)。
では負荷調節の方法で解説した器具「プッシュアップバー」についてさらに詳しく解説しよう。