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救急サイレンアニメ病院へ行こう!? 医療・トレーナー・運動指導の各種資格などについて

怪我や傷害・外傷でどこへ行くべきか。「そりゃ病院でしょ」「もちろん整骨院ですわ」「整体でんがな」「治療院」「○○療法」「パーソナルトレーナーの"先生"に相談」・・・・等々各自いろいろ方針があると思いますが本当にそれでいいのか?! まずは怪我とは何ぞや、と言う所から理解しさまざまな医療施設や資格などについて色々学んでみよう!

1:怪我にも種類がある?

怪我は怪我だろう!いえいえ、怪我にも種類があるのです。それによって病院選びも変わって来るのです。特にスポーツ現場においては怪我のことを「傷害」と呼ぶ事があります。そしてその傷害には「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」の二つに分けて考えます。この二つは後の資格の解説にも関係してくるのでよく理解してください。ではそれぞれ解説しよう。

外傷

外傷とは、急性期の怪我、つまりたった今怪我しました!という場合の怪我を指します。たとえば擦り傷、打撲、挫傷、捻挫、肉離れ、つり、骨折などです。

障害

障害とは外傷のような急性期の怪我ではなく、腰が痛い、膝が痛い、肩が、首が、といった慢性的な怪我を障害と呼んでいます。ということは、以前の外傷が完治せず後々障害となって現れると言う事もあるわけです。一方原因がよくわからない痛みがある、というような場合は

障害の可能性もありますが腫瘍などの疾患の可能性

もあります。いわゆる不定愁訴もここでいう障害とは区別して考えるべきでしょう。

つづいて怪我について理解が深まったところでいよいよ「医者か」「整骨院か」などなど、それぞれの資格についての解説です。

2:整形外科医・医師

整形外科医とは、厚生労働省所管する国家資格である医師免許を持つ者が整形外科を専門とする医師です。

医師に出来る事

  • 怪我・病気の診断・治療、手術、薬剤の処方
  • 後で解説する「医業類似行為」全般

などができます。一言でいうと、医療系の資格としては"最強"なのが医師です。

ところで「スポーツドクター」という医師の先生は聞いた事はあるでしょうか。最近は「スポーツ外来」がある病院もありますが、

スポーツ外来で勤務する整形外科医の先生=スポーツドクターではない

ということです。ではスポーツドクターとは?

スポーツドクターとは

スポーツドクターとは、医師免許を所持し特に整形外科を専門にしている医師が、文部科学省が所管する日本スポーツ協会の講習を受けて「スポーツドクター」として文部科学省から公認資格認定を受けることはできます。なので日本では、

スポーツドクター、あるいはスポーツ医という独立した専門医はありません。

つまり「スポーツドクター」という専門的な医師資格はない、ということです。

では医師ではないけど医療的な行為、例えば整骨院とか鍼灸院とかマッサージとか「医業類似行為」を行なう資格について。

3:医業類似行為とは

医師の資格以外で行なえる医療的な行為を「医業類似行為」と言います。

この医療類似行為を業として行なうには医師と同様国家資格が必要です。それらの資格には

  • 柔道整復師
  • はり師、きゅう師
  • あんま・マッサージ・指圧師

があります。ではそれぞれ見ていきましょう。

柔道整復師

町を見回してみると、整形外科以上に多く見かけるのが「整骨院」ではないでしょうか。この整骨院の先生が「柔道整復師」です。「接骨院」も同じです。医師ではないので「整骨医」「接骨医」とは呼びません。

その柔道整復師さんにできることは

急性期の外傷の応急処置・治療(施術)

です。出てきましたね。前項で覚えた用語「急性期」「外傷」。簡単に言うと、骨折、打撲、挫傷、捻挫、擦り傷などのたった今怪我したよお・・・と言う場合の応急治療です。例えば靭帯がどのような状態になっているかといった目に見えない内部の検査・診断はできません。

なので重症と思われる場合は治療後、病院でレントゲンやMRIその他による検査が必要です。医師のように薬剤の処方もできないので、整骨院・接骨院で使われる湿布薬や塗り薬があるとすればそれはドラッグストアや通販で誰でも購入できるものです。

整骨院と接骨院の違いとは

ワタクシの知り合いのお子さんが慢性の足首捻挫に悩まされていて、おまけにデタラメなテーピングをしているので保護者に「病院へは?」と聞いたら「整骨院の先生に靭帯が切れてるって言われまして・・・」というので「あのね、接骨院っていうのは」「整骨院です!」とかぶせるように整骨院と強調されたことがあります。

では整骨院と接骨院、どう違うのでしょうか?これはワタクシの推測ですが、整体が90年代以降ブームになり、それに対抗するために接骨院ではなく「整骨院」という名称を使うようになったのではないか?整骨という呼称自体は柔道の創始者嘉納治五郎さんも使っているが、しかし現在

法律で使用が認められているの屋号は「接骨院」だけ

です。しかし「整体」に対抗する意味もあってかどうかはわかりませんが「整骨院」も現状では容認されています。

怪我の応急処置は何の資格がなくても誰でもできる。柔道整復師はそれらを営業行為として行う事ができ、各種医療保険も適用できる。
→整骨院・接骨院の保険適用範囲についてはこちら(厚生労働省)

はり師・きゅう師、あんま・マッサージ・指圧師

はり師・きゅう師」は鍼(針)・灸、つまり鍼灸師さんです。「あんま・マッサージ・指圧師」はそのまま按摩・マッサージ・指圧をする先生です。どちらも柔道整復師のような治療ではなく、慢性的な腰痛や肩こりなどいわゆる不定愁訴の改善が主目的です。

つまり上述のスポーツ傷害で言えば、柔道整復師は「外傷」担当で、はり師・きゅう師、あんま・マッサージ・指圧師は「障害」の担当と大まかに言えるかもしれません。

ちなみにマッサージは柔道整復師も医師の指示があればおこなえます。後に解説する「理学療法士」も医師の指示でマッサージをすることができます。

一方これらの資格を持っていない人が、「手もみ」とか、最近では「筋膜リリース」さらにはストレッチといった看板で「マッサージ」という用語を使用せずどうみてもマッサージ的な営業を行なっているお店もあるようです。

次はこれも整骨と混同されがちな「整体」と「カイロプラクティック」について。

4:カイロプラクティック・整体

カイロプラクティックとは、アメリカ発祥の骨格矯正施術療法で、アメリカやヨーロッパではドクターに準ずる資格"カイロドクター"として認められているようですが詳しい事は存知ません。

このカイロのことを日本では整体と呼ぶ場合もあるし、もっと広い、もしくは別の意味で整体と言っている場合もあるかもしれません。80年代から90年代にテレビなどで体を「ボキボキっ」とやるので有名になりました。

カイロドクター、整体師、いずれも国家資格でも省庁の認定資格でもありません。逆に言うと無資格なら法規制にとらわれずなんでもできるということにもなります。

医業類似行為を無資格で営業行為をすればもちろん違法です。整体にしろマッサージにしろ、厚生労働省としては「医業類似行為の無資格営業に関する注意喚起」をしてはいますが摘発された例はなく事実上黙認されています。

ではさらにややこしい「○●トレーナー」「○●コーチ」など運動やスポーツ関連の資格について。

5:運動・スポーツ・トレーナー関連資格

ひとことで「トレーナー」といってもいろいろあります。

理学療法士

理学療法士とは、主に病院や整形外科などで怪我や障害を持つ患者に対して、医師の診断・指示にもとづき日常生活に復帰を可能にするための機能回復訓練・運動指導・リハビリテーションなどを行う厚生労働省所管の国家資格です。通称PT。運動指導の専門家としては唯一の国家資格です。次に紹介するアスレチックトレーナーの資格も取得してスポーツチームに所属している方もいます。

アスレチックトレーナー

一般には誤解されがちですが、トレーナーとトレーニングコーチは違います。スポーツ現場において、トレーナーの役割と言うと主に

  • 選手の体調管理・ケア・リハビリ指導
  • 怪我の応急処置やテーピング

などがあります。アスレチックトレーナー、通称ATさんとは、それらを専門とする日本スポーツ協会(JSPO)認定の資格の名称です。アメリカにも全米アスレチックトレナーズ協会(NATA)という70年以上の歴史を持つ団体認定のAT資格があります。

プロやトップ実業団などのチームトレーナーはだいたいこれらのATの資格を持っています。柔道整復師、はり師・きゅう師、あんまマッサージ指圧師、理学療法士の方でさらにこのアスレチックトレーナーも所持している方もいます。

トレーニングコーチ(ストレングスコーチ・フィジカルコーチ等の呼称がある)兼任の場合ももちろんあります。ちなみに大沼きんが所有している「日本スポーツ協会認定スポーツプログラマー(SP)」は、アスレチックトレーナーが医療寄りであるのに対してSPは運動指導寄り、ということができます。

ちなみに厚生労働省認定(国家資格ではない)の「健康運動指導士」は、位置づけはスポーツプログラマーとほぼ同じかATとSPの中間くらいでしょうか。また、「アスレチックトレーナー」は本来資格名ですから、チームスタッフとしては「コンディショニングコーチ」と呼ばれる事もあります。さらに幅広い兼任コーチとして「ストレングス&コンディショニングコーチ(S&Cコーチ)などもあります。

パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナー」という資格はありません。マンツーマンのトレーニング指導を一般のスポーツクラブやパーソナル専門ジム等に専属、もしくは個人営業として行っている人たちの通称です。何の資格も持っていない人でもたった今から開業する事はできます。

が、このパーソナルトレーナーも含めたトレーニング指導の専門家を想定した主な民間資格認定団体についても解説しておきます。

日本トレーニング指導者協会

日本版NSCA(次の項で紹介)、という言い方が適切かどうかはわかりませんが、日本国内のトレーニング専門団体で略称はJATI。認定資格にはトレーニング指導者(経験年数によってJATI-ATI→JATI-AATI→JATI-SATIとレベルアップすることができる)があります。大沼きんはJATI-ATIです。

NSCA

アメリカに本拠があり、NATAやJSPOを除いて最も歴史の長い(たぶん)国際的に拠点を持つトレーニング専門団体です。NSCA-CSCS、NSCA-CPTの資格があります。

知り合いの紹介などでなくゼロからパーソナルトレナーさんを選ぶ時は、これらの資格(JSPO-AT、NATA-AT、NSCA-CPT、JATI-ATI等)の内どれかプラスその他の資格の計2つ以上もってるかどうかでふるいにかけるとととりあえず無難だと思います。

分かりにくいのはNSCAなどアメリカの資格です。NSCAだけではなくNなんとかなど今は無数の資格があって、いずれも「資格ビジネス」的に世界展開しておりNSCAも昔に比べれば取得しやすくなっています。しかし世界展開していることを持って

パーソナルトレーナーの国際ライセンス保持者在籍のジム

などと宣伝しているパーソナルジムもありますが、パーソナルトレーナーの国際ライセンスなんてものはありません。医師免許だってないのに。アメリカで最も権威があるNATAは、アメリカで大学院に入らないと取得できません。

では最後に「医者か整骨院か」「誰に何を相談するか」についてまとめてみましょう。

6:で、医者に行きますか?それとも・・・

「整骨院」は病院ではない

さらに2000年代に入って法改正され整骨院も急増しました。先に述べたように「接骨医」「整骨医」という医師は存在しません。なかには整形外科と整骨院を混同している人もいるようですが、筋曜日のみなさんはいかがでしょうか?ここまでの解説をお読みになって、さあ怪我がなおらない、よくわかんない痛みが・・・という場合どこへ行きましょうか?誰に相談しましょうか?

整骨院・接骨院が医者じゃないから絶対ダメだ、と言うつもりもありません。何の資格も持っていなくても優秀なパーソナルトレーナーや整体師さんもいると思います。逆にお医者さんにもどうかなって人も、もちろんいます。

しかし腰痛にしろ肩や膝の不調にしろ、X脚・O脚といった変形性の障害にしろ、不定愁訴にしろ、何らかの原因があります。病院の検査機器でなければ確認できないような原因があるかもしれません。例えば原因がよくわからないような痛みがある、という場合は

障害ではなく腫瘍など疾患の可能性

もあるのです。それに気付かず何の資格も持たない自称パーソナルトレーナーさんの言うままに運動を続けて放置した結果、治るどころか慢性化、さらにはもっと重大な結果を招く可能性だって否定できません。ジュニア世代ならなおさらです。逆に検査機器でもわからなかった原因を推測できる優秀な施術師さんやアスレチックトレーナーもいると思いますがあくまで推測です。

さあ、どこへ行くか、誰に相談するかは、あなた次第です。

日本整形外科スポーツ医学会

海外における運動指導者と医療の関係

ヨーロッパのいくつかの国では運動指導が医師による処方の一つとして扱われている。1例としては

  1. 病気や怪我・体調が悪化
  2. →総合医によって次の3つのうちどこが適切が診断される
    • →専門医による診断
    • →薬局
    • →フィットネスプログラム

月刊NEXT117フィットネスプログラムの指導者も国家資格であり、フィットネスプログラムや薬で改善されなければ専門医によって再診断も受けられる。

(JATI EXPRESS Vol.56 P47 岩井智子)