脳アニメ運動のエネルギー代謝のしくみ - 脂肪・糖質・クレアチンリン酸

なぜ筋肉は力を発揮するのか。なぜ人間は持久的な運動を続けられるのか。運動・活動をするために必要なエネルギー代謝のしくみを脂質、糖質、クレアチン、ケトン体まで総合解説!

初公開2008年4月頃 :

1:エネルギー代謝とATP

糖質、脂質は運動や筋肉を動かすエネルギーと言われていますが、厳密にはエネルギーとはATP(アデノシン3リン酸)という物質で、

糖質や脂肪はそのATPを作るための原料

なのです。

ATPとは3つのリン酸(P)とアデノシンという物質がつながったものです。筋肉などが細胞活動をするとATPがリン酸を1つ切り離すことでエネルギーを生み出します。

  1. ATPがエネルギーを放出してリン酸1つが切り離されるとADP(アデノシン2リン酸)となり
  2. このADPとリン酸はそのまま細胞内に蓄積され
  3. 再びATPの最合成に利用されることになります。←ここ、後のクレアチンの所でまた出てきますよ!

筋肉運動をはじめ、脳や体のあらゆる組織が働くためにエネルギーが必要ですが、

糖質・脂質などからATPを産生しエネルギーを使うまでの経路をエネルギー代謝

と呼びます。

ではこれらのエネルギー代謝のうち主な

  1. 脂質代謝
  2. 糖質代謝
  3. クレアチン代謝

について詳しく見ていきましょう。

2:脂質代謝(有酸素系機構・有酸素系)

最も多く必要とされるエネルギーが脂質からのエネルギーです。なぜなら運動をしていない安静時=いわゆる基礎代謝(→基礎代謝とは)のエネルギーとして多く使われるのが脂質、脂肪なのです。脂肪がなければ生きていけませんぞ!!

エネルギー割合グラフ

上の図は、運動強度によって変化する脂質エネルギーと糖質エネルギーの割合の変化です。日常生活や心拍数が低い運動では、

酸素を使って脂肪と糖質(筋グリコーゲン)を原料にしてATPを生産

します。このように酸素を媒介としてエネルギーを燃やす(酸化)運動を有酸素運動(有酸素系機構・有酸素系)と言います。脂肪が酸化されることによって二酸化炭素が代謝物質として生産されます。

また、

心拍数が上がり運動強度が強くなってくると糖質の割合が高く

なってきます。つまり逆に

心拍数の低い強度の低い運動ほど脂肪がエネルギーとして使われやすい

ということです。ようはウオーキングとか、そういうゆるくて長時間続けられるローパワーの運動、そして何もしていないような安静時(→基礎代謝と筋肉の消費カロリー)ほど脂肪がエネルギーとして使われる割合が高くなるのです。

※最大酸素摂取量の50%程度(最高心拍数=220-年齢の60%程度)の運動=軽いジョギング程度で脂肪:糖質=1:1程度です。

次は糖質です。

3:糖質代謝(解糖系・乳酸系・無酸素系機構)

運動時のエネルギーとして最も中心になるのがこの糖質です。ちなみに脳はこの糖質だけしかエネルギーとして使えません

エネルギー割合グラフ脂質を中心としたエネルギーとするローパワー運動よりもさらに高い心拍数の運動になると、酸素の供給が間に合わなくなるので、

酸素と脂肪を使わず筋肉内に貯えられた筋グリコーゲン(糖質)だけでATPを生産するエネルギー供給システム「解糖系」が作動

し、エンジンにターボがかかります!

このような酸素を必要としないシステムによる運動を無酸素運動と言いますが、有酸素運動よりも強い力を出す事ができるかわりに40秒ほどしか持続できません。そして筋肉内に蓄えられた筋グリコーゲンが足りなくなると肝臓に蓄えられたグリコーゲン(肝グリコーゲン)や血中糖分、筋肉等のタンパク質を分解して作るアミノ酸を使います。つまり

糖質エネルギーが不足すると筋肉量が落ちてしまう

のです。

また、解糖系では乳酸が産生されるため乳酸系・乳酸性機構ともいいます。

▼こちらも!

では次は糖質制限をするとどうなるか?について。

4:ケトン体と糖質制限について

最近の「糖質制限ダイエット」のブーム(?)ですっかりワルモノ扱いの様相が強くなってきた糖質。しかし糖質は体になくてはならない大事なエネルギー源であり、不足すると糖質制限の話の中で登場するケトン体が増加します。

ケトン体とは、糖質代謝の解答系の課程で生成される代謝物質ですが、糖質不足の時や飢餓状態の場合などにエネルギー源の代わりとして多く使われるようになります。

糖質が不足しケトン体の濃度がが上昇すると、血液を酸性に傾きます。
→ケトン体と糖質摂取についてくわしく!

また、代謝マップで詳しく解説していますが、脂質代謝を行なうためにも糖質が必要です。筋肉量と脂質代謝・基礎代謝を低下させないためにも糖質や食事の極端な減量ではなく筋肉トレーニングと適度な糖質摂取をしながらのダイエットを推奨します。
→ダイエット基礎理論

次は最強のクレアチン代謝!

5:クレアチン代謝(ATP-CP系・非乳酸系機構・無酸素系機構)

ATP-CP系

そしてさらに高い心拍数、あるいは急激な開始運動では解糖系(乳酸系)システムでもATPがまかないきれなくなります。すると第三のシステム「ATP-CP系」が作動、いよいよニトログリセリンに点火です!

ATP-CP系とは、

  1. 筋肉内に蓄えられたクレアチンリン酸=CrPという物質がクレアチン=Crとリン酸=Pを切り離し
  2. 切り離されたリン酸と、同じく筋肉内に蓄えられているアデノシン2リン酸=ADPと結びつく事によって
  3. アデノシン3リン酸=ATPを生産するシステム

です。3つのエネルギー代謝の中で最もATPができるまでのスピードが

最も速く最もパワーを発揮できる

システムです。つまりそれほどせっぱつまったタイミングで作動するシステムという事です。

しかしこのクレアチンリン酸の貯蓄量はわずかでしかなく数秒しか持続できません。ATPがエネルギーを放出し切り離されたリン酸は、再びクレアチンリン酸の合成に利用されます。3分ほどのインターバルで90%程度の量まで回復するといわれています。

また、ATP-CP系では乳酸が産生されないので非乳酸性機構ともいいます。

クレアチンサプリメントについて

クレアチンサプリメントこのクレアチンリン酸の貯蓄量をもし増やすことができればハイパワーの持続時間を伸ばす事ができスプリント競技などでは有利になれると考えられています。ウエイトトレーニングにおいても高負荷でのレップ(回数)を増やす事ができるので結果的により高強度のトレーニングが可能となります。

クレアチンは体内で合成されますが、肉や魚にもわずかながら含まれています。しかしその量には限界があるためクレアチンサプリメントを使うという考え方がありますが、あくまで持続時間を延ばす可能性があるというだけでパワーや筋力そのものが上がるというわけではありません。またもちろん誰でもその効果が得られるというわけでもありません。

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これでわかる!?エネルギー代謝早わかりマップ

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結び

大沼きん解説したように、3つのエネルギー代謝経路はかくかくバラバラで稼動するのではなく運動強度や心拍数によってその割合が変化するのです。

次は個々までのエネルギー代謝経路をマップにして解説してみました!

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タグ : 理論 糖質・炭水化物 サプリメント