簡単筋力トレーニング講座

なぜベンチプレスや腕立て伏せで肩を痛めるのか?

肩甲骨
外転・内転 回旋
左の絵をみてほしい。右鎖骨と右肩甲骨を前から見たものである。鎖骨の右端が肋骨の中央部につながっている。肩甲骨左端の丸いくぼみは肩関節である。絵の下の文字にマウスを乗せると肩甲骨が動く。この動きは今後も肩周辺のトレーニングには不可欠な知識なのでぜひ覚えておいてほしい。なお、外転・内転時も回旋と同様肋骨を中心に鎖骨とともに円を描いて動くがこれはさすがにアニメにするのは難しいので省略した。なに?手抜き?気に食わなけりゃ帰れ。また下の肩関節の動きも同時に頭にいれておいてもらいたい。これらの動きが絡み合って、複雑で高度な肩の動きを可能にしているのだ。※実際の動きとはくいちがう場合もあります。

肩関節1肩関節2肩関節3肩関節4

さて今回のテーマは「なぜベンチプレスや腕立て伏せで肩を痛めるのか?」である。特にベンチプレスのフォームでは腕を肩と水平にしてはならないとされている。そこで一つ実験をしてみる。まず片方の手で、片方の肩を上からグッと押さえ肩甲骨が動かない状態にしてみる。そしてそのまま肩甲骨を動かさず、手の平を上にむけたまま腕を外転させる。肩甲骨が動かない状態では腕は水平より上にはほとんどあがらないはずである。

棘上筋

そこで上の図を見てほしい。腕を外転させれば上腕骨の外側上部が肩甲骨上部の出っ張りにぶつかりそうになるのがわかる。そして赤い部分は棘上筋(きょくじょうきん)という筋肉で肩甲骨裏側上部から上腕骨を引きつける役目をし、肩甲骨内の細いすきまをぬうように通っているのがわかる。つまり腕を水平まで目一杯外転させればこの棘上筋は非常な圧迫をうける。投球動作の際はさらに後方にねじられ遠心力が加わる。棘上筋のみならず上腕二頭筋長頭や細かい腱や靭帯が肩関節を覆っている。このように圧迫を受けた状態でベンチプレスや腕立て伏せのように強い負荷をかけて水平屈曲を行えばこれらの筋腱群に確実にダメージを受けやすくなる。もちろん他にも痛みの原因はいろいろあるであろう。しかしこれ以上のことはワタクシはもう知らない。そんなの無責任だって?文句があるなら帰れ。

さて今回はここまでだ。次週は正しいベンチプレスのフォームについて解説する予定である。もっとも今回の話でもうそんな説明は必要ないだろうが。そして表題の「つり橋」の謎も明らかになる。以上、大沼きんでした!

大沼きん "棘上筋に注意せよ!"

次回は10月29日筋曜日「なぜベンチプレスや腕立て伏せで肩を痛めるのか?その2」(予定)です。お楽しみに!

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第8回:インナーマッスル<棘上筋、棘下筋、肩甲下筋>
第7回:広背筋の謎・ベントオーバーローとラットプルダウン
第6回:三角筋の謎・ショルダープレスとサイドレイズ
第5回:なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その3
第4回:なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その2
第3回:なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その1
第2回:なぜベンチプレスや腕立て伏せで肩を痛めるのか?その2
第1回:なぜベンチプレスや腕立て伏せで肩を痛めるのか?

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